ストレッチとは、「あるものを伸ばすこと」を指します。
スポーツの世界でのストレッチングとは、スポーツ現場などで、筋や腱などを「伸張する」ことで身 体の柔軟性を高め、それにより得られる様々な反応を獲得するための行為を意味 します。

■ストレッチの種類

1、スタティック・ストレッチング
2、バリスティック・ストレッチング
3、ダイナミック・ストレッチング

主なストレッチングには、勢いをつけて、グイグイと筋肉を伸ばそうとする「 バリスティック・ストレッチング」、ゆっくりと時間をかけて伸ばしていく「ス タティック・ストレッチング」があります。
現在、「ストレッチング」というと 、多くは「スタティック・ストレッチング」を指すように
なりました。

■ストレッチングの効果

1、軟部組織の柔軟性の維持・向上 軟部組織とは、筋肉だけでなく腱や靭帯、関節包、筋膜、皮膚、
  神経など、骨 を除く組織をいいます。
2、関節可動域の改善・維持 関節可動域(ROM)とは関節の動く範囲を指します。
3、外傷・障害発生の予防 外傷・・・一度の強力な外力により発生するもの 障害・・・
  動作の繰り返しによるストレスが原因で発生するもの
4、筋疲労の回復促進 ストレッチを行うことで、血行が促進され、疲労回復を早めることができます 。
5、疼痛緩和 筋肉が短く硬くなって痙攣による疼痛がある場合、ストレッチによって、疼痛 を緩和することもあります。

■スタティックストレッチの原則

1、リラックスした状態で行う
2、反動をつけない
3、目的とする筋肉を意識する
4、呼吸を止めない
5、心地よいくらいに伸ばす
6、筋や関節が温まった状態で行う

■ストレッチ実施上の注意およびリスク管理

1、事前にストレッチの目的・効果・原則について説明をし、同意を得て行う
2、パートナーストレッチを行う際には、相手の体に触れることを事前に説明し 、同意を得てから行う
3、ストレッチの前に本日の体調、傷害の有無を確認する
4、実施中にストレッチする筋、その筋が付着する場所および周囲の関節などの 痛みを確認し、痛みがある場合中止する
5、実施中は「痛すぎないか?」、「効いているか?」、「どこまでストレッチ できるのか?」、
「呼吸を止めていないか?」、などコミュニケーションをとり 、相手の表情も観察する
6、代償運動をできる限りコントロールしながら行う (代償運動とは、たとえば、大腿四頭筋のストレッチをしようと、膝を屈曲しよ うとしたときに、アスリートが股関節を屈曲して、ストレッチを逃げてしまうよ うな動作のことです)
2013年9月 文責 村尾和也