女の子は男の子に比べて、身体の柔軟性がすぐれています。
ところが、柔軟性がありすぎるために、肩や膝などに障害を起こします。
身体が硬すぎるために、さまざまな病態が起こりますが、反対に柔らかすぎるのも問題があります。  
よく講習会などでこの話をすると、「『身体が固いとケガをしやすい』と言われますが、柔らかいのにどうしてケガをするんですか」と女子選手やその指導者から質問を受けることがあります。
「『身体が柔らかい』と指導者にほめられた」などという選手には、不思議に思われることでしょう。  
しかしながらこの場合、関節の「柔らかさ」と言うよりも、関節の「緩さ」と言い代えたほうがいいのかも知れません。この緩さゆえに、いろいろな障害を起こします。  
肩の関節が緩いと、ボールを投げるような競技、フェンシングなど重い器具を用いるような競技の女子選手では、肩の関節包などに、それを引き伸ばそうとするストレスが繰り返して加わります。
さらに関節包や靭帯が緩み、また軟骨への負担も大きくなります。  
膝の関節が緩いと、骨と骨との間にある半月板や、関節軟骨などの組織に、過剰な負荷を受け、損傷を起こしやすくなります。

特に柔道など、自分の体重に加えて相手の体重を支えなければならない競技では、注意を要します。  
関節に痛みがある女児のアスリートの場合、そういった関節のゆるさも考慮に入れて、チェックする必要があります。整形外科でご相談ください。
 
参考文献「子どものスポーツ障害」山海堂 (2006年4月)