よく外来で患者さんに、冷やしたほうがいいのか温めたほうがいいのかと聞かれます。
原則として、激しい痛みや腫れのある急性期は冷やして、鈍い痛みになったり、重だるく、こった感じの残っている慢性期には温めたほうがいいと説明します。
ただ湿布に関しては、本人の「気持ちがいい」という感覚を頼りにしてもらっていいと思います。  
湿布薬には、それ自体、冷やしたり、暖めたりする効果はほとんどありません。貼った当初は「ひやっ」と冷たく感じても、貼ってしまえば、数分で皮膚と同じ温度になってしまいます。  
そのあとは湿布に含まれているメントールなどの成分の刺激によって、さわやかさを感じさせるだけで、温度が低くなっているわけではありません。打撲や捻挫をした直後など、本当に冷却が必要な場合には、冷湿布よりも、氷水を入れたビニール袋などを局所にあててもらいます。  
最近の湿布には、鎮痛剤を含んでいて、それが皮膚から吸収され、鎮痛効果を得ることを目的にしたものがあります。
一方の温湿布には、トウガラシの成分などが含まれていて、その刺激によって皮膚に温かさを感じさせます。そうすることで、筋肉をリラックスさせたり、筋肉内の血流を改善させることを狙っています。
皮膚の刺激が強いだけに、皮膚の弱い人はかぶれてしまうこともあります。1日に2回張り替えるとして、その間の数時間は湿布をはがして、皮膚を休ませる時間を持つといいでしょう。