腰痛でお悩みの方へ
腰には、通常５個の腰椎があります。
前方の体重を支える柱になる部分が、椎体という部分です。
椎体と椎体との間に、椎間板というクッションがあります。
椎体の後側には、脳から出た、脊髄という神経の束があります。
脊髄から分かれた、神経の枝である神経根が、骨と骨との間から出て、腰から足の方向へと走っています。
この脊髄を取り囲むのが、椎弓とよばれる骨の輪で、その上下には、身体のひねり動作に関与する、椎間関節があります。
腰痛には、骨に原因のあるもの、椎間板に原因のあるもの、後方の椎間関節に原因のあるもの、神経に原因のあるもののなど、いろいろなものがあります。
骨に異常のあるものでは、骨粗鬆症や、それに起因する脊椎の圧迫骨折、癌の転移などがあります。
その他に、椎間板がつぶれて神経根を圧迫する椎間板ヘルニア、椎間板の老化による変形性腰椎症、腰椎の部分で脊髄が全体的に圧迫される脊柱管狭窄症などがあります。
しかし、圧倒的に多いのが、腰椎の周囲にある筋肉が損傷を受けた腰部筋挫傷で、いわゆる「ぎっくり腰」と呼ばれるものです。
傷ついた筋肉に負担をかけないようにすれば、数日で軽快します。
１週間ほど安静にして、痛みが治まらない場合は、他の原因で生じる腰痛との鑑別が必要となるため、整形外科を受診することをおすすめします。