熱中症が発生しやすいのは、一番気温の高くなる、真夏の時期だけではありません。
梅雨の晴れ間に、突然気温が上がったようなときや、梅雨明けの蒸し暑い日などにも起こります。
その対策としては、この時期のスポーツ、トレーニングでは、最初から飛ばさず、暑さに慣れてから、
本格的なトレーニングに入るようにしてください。熱に対する順応ができるまでには、
4~5日かかるとされています。

予防として重要なのは、何といっても「水分の適切な補給」ということになります。
「のどが渇いた」と感じるころは、すでに脱水に陥っている状態なのです。
炎天下、高温下での運動の場合、発汗量は1時間あたり1~2リットルになることもあるので、練習前に250から500mlの水分を補給するようにします。
練習中は、個人のボトルを持ち、休憩中に自由に飲めるようにします。
そして運動中は、約30分ごとに50~100mlずつ、水分を補給するようにします。
補給する水分の内容は、塩分0.1~0.2%、糖分2.5%程度で、市販のスポーツドリンクを2倍程度に薄めたものがいいでしょう。

また夜間には、通常でも200~300mlの汗をかいています。
夏場などの寝苦しい夜には、500mlから、ときには1リットル近くの汗をかいてしまうこともあります。
朝の涼しい時間帯だからといっても、起きてすぐのトレーニングには要注意です。

参考文献 山海堂「現場で使えるスポーツ救急マニュアル」