500万年前に2本の足で歩くようになって以来、腰痛は人間の宿命的な症状となりました。
平成13年の国民生活基礎調査によれば、日本人が感じる自覚症状の第1位が「腰痛」で、10人に1人、約10%の人が苦しんでいるのだそうです。
これが60歳から70歳台になれば、この割合が約20%に跳ね上がるとの報告もあります。  
腰痛には、骨に原因のあるもの、椎間板に原因のあるもの、神経に原因のあるもののなど、いろいろなものがあります。しかし、ほとんどの腰痛は、特に「ぎっくり腰」と呼ばれるものは、腰の筋肉の損傷によるものです。筋肉の損傷に対する治療は、2種類のことが考えられます。
一つは負担を軽くしてやること、そしてもう一つは筋力を増強してやることです。
「守りの治療」と、「攻めの治療」と言っていいでしょう。負担に負けない筋力を養成し、筋肉の柔軟性を保っておくことが大切です。  
また仮に、骨や椎間板などの老化が原因であったとしても、筋肉をいい状態に整えることは、症状を軽減するのに効果があります。年をとってくれば、多かれ少なかれ万人に老化が訪れるはずなのに、すべての人が腰痛を訴えているわけではありません。腰痛のない人は、恐らくはこの筋肉のコンディショニングが上手なのでしょう。  
具体的な方法については、拙著「体力回復トレーニング」をご参照ください。